エマーソン・カレッジは、アメリカで唯一、コミュニケーションとパフォーミング・アートの勉強に力を入れた4年制大学です。一般的なアート・スクールと異なり、彫刻や絵画などを勉強するファイン・アートと呼ばれる学科は設置されていません。
エマーソン・カレッジは、1880年にマサチューセッツ州ボストン市に創立され、以来コミュニケーションとパフォーミング・アートを実践的に学ぶ大学のパイオニア的な存在として、常にマスコミ・エンターテインメント業界に優秀な人材を送り込んでいます。
- 1919年 アメリカで最初の子供シアターを設立
- 1935年 アメリカで最初のスピーチ・パソロジー専門プログラムを設立
- 1937年 アメリカで最初のブロードキャスト&ブロードキャスト・ジャーナリズム学部の設立
- 1949年ニュー・イングランド・カレッジ群の中で初めて、教育を目的としたFMラジオ局を設立
- 1953年ボストン市周辺の大学群の中で初めて、スピーチ&聴覚クリニック学部を設立
また、カレッジの学生には、大学の所有するエマーソン・マジェスティック・シアターで作品の制作やパフォーマンスを行う機会が与えられています。 1903年に建築されたこのオペラ座、マジェスティック・シアターはボストン市のシアター街の中心に建っています。 ここでは、学生による作品の制作が年間約10週間あり、その他にもニュー・イングランド地域やボストンを中心として活躍する14の芸術団体や劇団のホームグラウンドとなっています。
この大学は、映画、マスコミ関係の仕事を志望している人にとっては、最高の環境が整っています。 アドミッションの担当者によると、「ハーバードが学問の最高峰、M.I.T.が技術者を生み出す最高峰なら、エマーソンは、マスコミ、エンターテインメント業界人を生み出す学校の最高峰だ。」とのこと。
エマーソン・カレッジは、にぎやかなボストン市の中心に位置しており、街中に立ち並ぶいくつかのビルが、カレッジの校舎になっています。一つのビルには、大学の学生が経営するラジオ局が2局入っています。大学という限られた環境の中で勉強をするというよりは、都心という外界がこのカレッジのキャンパスになっているイメージです。
すべての学生は、自分の専攻分野だけに限らず、コミュニケーションに関連する様々な分野の勉強を学ぶ機会が与えられています。 iiwaveが取材した、舞台のプロダクション・マネージメント専攻のある学生は、入学した初めの学期に、テレビ番組のプロダクションの課題があり、テレビ番組制作の基礎を叩き込まれたそうです。「テレビカメラの使い方ならプロ並よ。まかせて。」と自信に満ちた表情で話してくれました。
エマーソン・カレッジに入学してくる学生は、同様にコミュニケーションやパフォーミング・アートの専攻に定評のある、ニューヨーク・ユニバーシティ(NYU)やサザン・カリフォルニア・ユニバーシティ(SCU)などにも願書を出すことが多いようです。最終的にエマーソン・カレッジを選択した理由として、まずボストンの中心という立地条件が気に入ったこと、そして専攻が絞られているため、他の大学よりも小規模であること、などがあるようです。
また、エンターテインメント業界のメッカ、ロサンゼルスにあるエンターテインメント系や放送関係の会社との間に、エマーソン・カレッジの学生をインターンとして雇う協力体制があります。やる気のある学生にとってこのインターン制度は、ロサンゼルスで仕事し、業界とコネクションを作る、またとない機会です。このインターン制度がきっかけになって、就職へと道が開けることも多いようです。
学部(undergraduate)は、スクール・オブ・アート、スクール・オブ・コミュニケーション・マネージメント・アンド・パブリック・ポリシー、スクール・オブ・コミュニケーション・サイエンス・アンド・ディスオーダーズの3つに分かれています。
この学部は、パフォーミング・アート学科、ビジュアル&メディア・アート学科、ライティング、リタラチャー&パブリッシング学科の3つに分かれています。これらの学科では、エマーソンの学生が制作、演技、執筆活動、また教育の現場において充分なリーダーシップとクリエーティブな役割を果たすための実力をつけることを目的としてカリキュラムが組まれています。地元のアーティストや、プロとして第一線で活躍している人たち、また、教授陣によるしっかりした教育体制がしかれています。
学生たちは、厳しく組まれたカリキュラムから、アートが持つ倫理概念やグローバルな影響力を学びとっていきます。
最近のプログラムとしては、自社ブランドの化粧品が絶好調な、メークアップ・アーティストのボビー・ブラウン(エマーソン・カレッジ卒業生)が、カレッジを訪れ、彼女が卒業後に歩んで来た道について、講演をするというセミナーが開かれました。
iiwaveが取材に訪れた時、入学希望者対象の学校説明会でフィルム科の教授が語った印象的な話しがあります。
「現在、アメリカにはカレッジや大学などでフィルムを専攻している学生が約25万人いる。これに対して、去年のフィルム業界での人材募集数は、エントリーレベルでは、たったの1200名だった。この業界は、クレイジーでないとやってられない、狭き門。"派手な職業に憧れて"、といった中途半端な気持ちではフィルムを専攻として選ばないほうがいい。」
「アメリカのフィルム専攻学生の就職率は1〜3%だが、エマーソンが与える課題を真剣にこなし、エマーソン・カレッジをサバイバルできれば、25%から、場合によっては100%の、業界就職率を保証する。」
「ジャーナリズムにいたっては、現在ジャーナリズム業界に携わっている人口よりも、多くの数の学生が専攻している。クレイジーな業界だ。」
「エマーソン・カレッジのフィルム科の設備はすばらしい。タイタニック並みの大作映画の編集ができる設備がある。大学でここまでの設備をもっているところは、アメリカ中探しても3箇所くらいだ。」彼は、さらに続けて、「数年前にエマーソン・カレッジを首席で卒業した26歳の学生は、いま世界的に有名な映画監督、オリバーストーンの使い走りをしている。彼のタバコを買いにいったり、洗濯をしたりしながら、脚本を共同で書かせてもらっている。そういった雑用をするのがイヤだ、というやつはこの業界では生き残っていけない。」
あなたは、監督のためにタバコを買いに行けますか?
スクール・オブ・コミュニケーション、マネージメント アンド、パブリック・ポリシーでは、コミュニケーションを学ぶためにユニークなアプローチを展開しています。 この学部のキーワードは、「メッセージ」。 学生が流布に値する「メッセージ」を制作する実力をつけることを目的としています。 コミュニケーションと一口に言っても、学生のキャリアゴールは実に様々です。作品を書くこと、ニュースを伝えること、効果の高い広告を制作すること、選挙キャンペーンをプランすること、一流企業の経営や社会団体、政府のために情報戦略を計てること、社会問題や市民運動のリーダーになること、など実にバラエティーに富んでいます。
エマーソンのカリキュラムは、これらの多様なキャリアの即戦力になる人材を育てるように組まれています。 エマーソンのどのプログラムを取り上げても、学生が理論と実践をバランスよく学べるように考えられています。
スクール・オブ・コミュニケーション・サイエンス・アンド・ディスオーダーは、有能な言語病理学のプロを育成するために、学問、研究、診療の3つをバランスよくプログラムとして組んでいます。 学士、修士、博士のそれぞれのレベルでの学位の取得が可能です。 人間の伝達能力とコミュニケーション障害の関係は、社会的要素、心理学的要素、生物学的要素が複雑に絡み合っています。 各教科と診療のプログラムでは、それぞれの分野に渡るカリキュラムが組まれています。
ここでの教育は、言語障害の専門家、聴覚学者などといった様々なキャリアへつながって行き、卒業生は、どもり、失語症、言語学習障害を軽減、コントロールするためのプログラムの開発などの分野で活躍してます。
この学部には、コミュニケーション学科、ジャーナリズム&パブリック・インフォメーション学科の2つに分かれています。
コミュニケーション障害
Communication Disorders
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